2011年3月アーカイブ

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合成の誤謬(削除予定)

ーーーー
この記事は、このブログ全体のなかで意味が小さいと考え、近日中に削除する予定です。
2012年5月13日
ーーーー

「合成の誤謬」という言葉がある。もともとは経済学の言葉である。
一つ一つの事象は合理的でも、一緒になると合理的ではなくなるという意味と考えて良いと思います。

今問題となっている、小児肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの臨床治験は、単独接種で行われているはずです。
単独接種ではあまり問題にはおこらなかったとおもいます。
(それにしても、アクトヒブのフィンランド感染予防大規模介入研究では10万7千人に接種されていますが、死亡例や重症な副作用が全く無かったのかどうか、インタビューフォームには記載がありません。)
Hibワクチンにはアジュバントが入ってないが、小児肺炎球菌ワクチンにはアジュバントが入っている。
同時接種の場合、小児肺炎球菌のアジュバントはHibワクチンのアジュバントとしては働かないのかどうか。
そうでなくとも、一方のワクチンから見たら、他方はアジュバントの役目をしないのかどうか。
同時接種を進めるならば、同時接種の治験をやってみる必要があったのではないかとおもう。

Hibワクチンの場合は、ホルマリンで無毒化した破傷風トキソイドが使われている。
小児肺炎球菌ワクチンでは、変異株菌の産生する無毒性変異ジフテリア毒素が使われている。
これらの毒素の無毒化が十分なのかどうか、 フリーな毒素が無いのかどうか、製品を確認したのだろうか。
製薬メーカー任せなのだろうか。



HPV、小児肺炎球菌、Hibワクチン接種推進の基となった文書

小児用肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンで、5人めのお子さんが亡くなられました。
御冥福をお祈り申しあげます。
御両親樣は、お子さんが少しでもより健康に成長される事を願って、ワクチン接種に赴かれたのだろうとおもいます。

ほかの成分と違って、ワクチンの成分(抗原)が体にはいると、体の免疫炎症システムが動き出します。
殆どの場合、抗原を処理したのち抗体を産生し元に戻りますが、ごくまれに自分の体を破滅させてしまうところまで免疫炎症システムが働いてしまうことがあるわけです。
(ワクチンにより突然死がおこると考えたほうがいいようです。)
薬をのんで副作用で死ぬ場合があります。薬を飲む場合は、その「目的」がはっきりしているわけです。
ワクチンの副反応で死亡する場合、かかってもいない、かかっても死なない感染症の、「感染の想定」で死ぬようなものですから、割り切れなさが残ります。

以下の文章は、小児用肺炎球菌ワクチン、Hibワクチン、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種を提言し、ワクチン接種推進の基になった文書と思います。
是非読んでみてください。

厚労省ではヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの導入を考えているようだが、他のワクチンの導入も検討すべきである、と言っているようです。
そう言っているのに本文の①②④でHPVについても触れています。
第一行は長くてよくわからない文章ですね。
本文の最後の「なお、本部会においては....」の一行は必要なのでしょうか。
この2行は削除したほうがすっきりします。

ワクチン接種の導入をすすめる手法のまず第一は、WHOの勧告、といれます。
次に、欧米の先進国ですでに導入している、ときます。
小児肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンを導入していない国のなかに、すでに導入している国より乳児死亡率が低い国があったらどうするのでしょう。日本がそれに当てはまる可能性があります。
Hibワクチンは高いです。136ヶ国も導入しているとは考え難いとおもいますが。



以下の文章を作った人達には今回の死亡についての責任があります。

厚生労働大臣 細川 律夫 殿

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会においては、新たに公的予防接種の対象とすべき疾病・ワクチンを含め、今後の予防接種のあり方全般について検討を行っているところであるが、現在、部会の下に小委員会及び作業チームを置いて検討を進めており、その考え方についてとりまとめを行った上で、部会としての提言とすることとしている。
一方、厚生労働省においては、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種促進を念頭においた情報収集、分析を目的とする予算事業を要求しているが、これに加え、他の疾病・ワクチンについても、適宜、予防接種法における定期接種に位置づけることを想定した対応を検討すべきである。
特に、
① ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンは、WHOが全ての地域において接種を行うよう勧告を行っており、先進諸国でも実施されているものの、我が国では未実施である
② Hib、肺炎球菌の感染による細菌性髄膜炎で乳幼児が死亡し、HPV感染による子宮頸がんで死亡する女性も多い
③ これらのワクチンの有効性・安全性は高い
④ Hib、肺炎球菌による感染症は、重度の後遺症の発症頻度が高く、これらの菌は、抗菌薬耐性獲得の問題から治療に難渋することがあり、この傾向はさらに強まること、さらに、その接種促進に対する国民の要請も高いことから、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンは、予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべきである。
なお、本部会においては、引き続き、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎等その他の疾病・ワクチンも検討を進めるとともに、予防接種に関する評価・検討組織の設置についての議論等を行い、今後の予防接種のあり方について提言をとりまとめることとしたい。

平成22年10月6日
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会部会長
加 藤 達 夫

(別紙)
Hib、肺炎球菌、HPVワクチンについて
①WHOの勧告に含まれている
・ Hib、小児用肺炎球菌、HPV ワクチンは、2010年9月時点において、WHOが「全ての地域に向けて勧告」を行っている予防接種に含まれている。
②先進7カ国において、実施していないのは日本のみ
・ 米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリアのいずれの国においても、Hib・肺炎球菌・HPVワクチンを定期の接種プログラムとして実施している。
③Hib、肺炎球菌の感染による細菌性髄膜炎で乳幼児が死亡し、また、子宮頸がんで死亡する女性も多い。
・ Hibと肺炎球菌による細菌性髄膜炎は、5歳未満のこどもにおいて年間500~700人発生しており、他の侵襲性重症感染(敗血症、喉頭蓋炎や関節炎など)を含めると2000人を超える。また、通常、細菌性髄膜炎では集中治療によっても2~5%が死亡し、20%程度にてんかんや精神発達遅滞などのその後の負担が非常に大きい後遺症が残る。
・ これらは5歳未満のこどもでは誰しも等しく起こる可能性があり、子育て中の親には大きな心理的不安の材料であり、これが親および小児救急医療の大きな負担となっている。
・ 子宮頸がんは、新規の年間患者数約8,500人、死亡者数は約2,500人と国民の健康を守るという観点からも早急に対応が必要である。
・ 更に、子宮頸がんは、20~30歳代のいわゆる「出産世代」にも発生するがんであり、子宮頸がんの治療では、子宮全摘出術や放射線療法等が行われることから、次世代を担うこどもの喪失など社会的損失が非常に大きい。
④Hib、肺炎球菌、HPVワクチンの有効性・安全性は高い
・ Hibワクチンは、世界で136カ国が導入しており、多くの国で細菌性髄膜炎を予防する効果が実証されている。また、導入した結果、米国をはじめとする多くの国において細菌性髄膜炎などの侵襲性Hib感染症の患者数が95%以上減少しており、この疾患とその後遺症で苦しむこどもは稀となっている。
・ 肺炎球菌ワクチンも同様に、ワクチンに含まれる血清型の肺炎球菌による侵襲性感染症を90%以上減少させ、非常に有効とされている。また、小児へ接種することにより、接種者の侵襲性感染症を予防するのみならず、成人においても肺炎球菌による侵襲性感染症が減少したことが報告されている。
・ 現在販売されているHPVワクチンについては、日本人の子宮頸がんの原因である発がん性HPVの50~70%の感染を防止し、海外のデータでは、ワクチン型の未感染女性への接種から6.4年の時点で、HPV16/18の持続感染やHPV16/18による前がん病変(CIN2以上)に対して100%の予防効果があることが報告されている。
・ なお、これらのワクチンについて安全性については国内における臨床治験、これまでの市販後調査、海外における使用経験などから、重大な副反応発生報告はなく、通常に使用し得るワクチンとされている。
⑤重度の後遺症の発症頻度が高く、抗菌薬耐性獲得の問題から治療に難渋することがあり、この傾向はさらに強まる
・ 細菌性髄膜炎では、重度の後遺症を含めて予後不良となる割合が20~30%と非常に高い疾病である。死亡はもちろんのこと、特に後遺症が残ると親の金銭的、精神的負担が非常に大きく、これらは毎年累積してくるため導入が遅れれば、社会的な負担も膨らんでいく。
・ Hib、肺炎球菌については、抗菌薬に対する耐性獲得菌の発現頻度が増加して起きており、一旦発症した場合に治療に難渋することが多く、またこの傾向はさらに増加することが予測されている。

以上より、Hib、小児用肺炎球菌、HPVワクチンついては、我が国における定期接種化を進めるべきである。

平成22年10月

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会
ワクチン評価に関する小委員会





上の写真と図は、「Medical朝日」2010年4月号の記事、「座談会 ワクチン行政の大転換に向けて」より取りました。
ACIP(Advisory Committee on Immunization Practice)はアメリカの組織ですが、日本でもその後追いをしている事は間違いありません。
厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会 ワクチン評価にに関する小委員会がそれにあたると思います。
上の文章とこの図で、新しいワクチンがどのようにして導入されるかよくわかるとおもいます。

どうしても、引用の文章が繰り返されてしまいます。
みずらくてすみません

子宮頸がんワクチン接種中止の要望書

以下の文章は平成23年2月14日、大崎市議会議長宛に提出した、「子宮頸がん予防ワクチン」接種事業の中止を求めた要望書です。

請願にするには、紹介議員が必要です。

議題として採択され、ワクチン接種事業の中止を議決できるところまで持っていける可能性はまだないと考え、要望書にとどめました。

子宮頸がん予防ワクチン接種に反対します

Hibワクチン(など)の接種で亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りいたします。
安全なワクチンはありません。
脅しをかけ、ワクチン進めるやりかたは止めてください。
日本の乳児死亡率は世界一低いはずです。
Hibワクチン、小児肺炎球菌ワクチンは本当に必要なんでしょうか?
あちこちで小児が髄膜炎や直りにくい肺炎にかかっているという現実はあるのでしょうか。

以下の文章は、宮城県医師会の掲示板に投稿したものです(H23.01.21)。誤字脱字等を少し直しております。

全く必要のない、全く効かない「子宮頸がん予防ワクチン」接種はすぐ中止を!

全く必要のない、全く効かない「子宮頸がん予防ワクチン」接種はすぐ中止を!

                      ‘11-02-16r2   分析 & 文責 佐藤 荘太郎


1.「サーバリックス」はヒトパピローマウイルス(HPV)に対する感染予防ワクチンで、子宮頸がんを減らしたという実績は全くない。――>「がん予防ワクチン」ではない。

2.すでに“高病原性”HPVに感染している女性(18~25才)に注射した場合には、ウイルス感染の除去に全く効果がなかった。――> 成人女性には売れなくなった。

3.HPVが感染する前に注射しておけば感染が防げるかも。――> 若年女子にターゲットを移した。グラクソ・スミスクライン社の売り抜け。116000円。

4.“高病原性”HPVは赤ちゃんも持っている。――> 上の説も成り立たなくなった。

5.“高病原性”HPVは 本当に発がん性があるのか?――> “このウイルスの感染だけでは発癌しないことも知られており、発癌に関する他の因子、例えば喫煙などが及ぼす影響についても解析しています。”(慶応大学医学部婦人科のホームページより)

6.水酸化アルミニウムと細菌成分のアジュバント ――> 注射部位の痛み、全身反応が強い。疼痛(99%)、腫れ(78%)、疲労(57)、頭痛(37%)、胃腸症状(24%)。

7.一般に不活化ワクチンは出来が悪い。――> 分泌型の抗体(Ig-A)ができないため。

8.不活化ワクチンの効果は10年続かない。――> 20代以降、通常の検診必要。

9.国内臨床試験の終了を待たずに製造販売承認申請。「優先審議品目に指定」――> 効果、副作用など国内のデータの検討殆どなし。

10.政府はHPV助成費用として344億円。――> GSK社の売り上げ400億円超。

 

Ⅰ.サーバリックスは、既に感染しているHPV16/18の感染除去には無効

―― 権威ある「アメリカ医学会誌」に載ったコスタリカからの論文 ――

 Effect of Human Papillomavirus 16/18 L1 Viruslike Particle Vaccine Among Young Women With Preexisting Infection – A Randomized Trial

(Journal of American Medical Association, August 15, 2007- Vol 298, No.7 743-753 )

コスタリカの女性(18~25歳)の2つの群、1088人と1101人、を設けた。HPV16型の感染が確認できたのは前群で181人、後群で232人、HPV18型は両群とも81人(重複感染を含む)であった。前群にはサーバリックスを接種し、後群には対照としてA型ウイルス肝炎ワクチンを接種し、HPV感染の除去率を比較した。

6ヶ月、12ヵ月後の感染消失率は

          サーバリックス接種群     対照群

6月後(2回接種) 33.4%(82/248)  31.6%(95/298)

12月後(3回接種) 48.8%(86/177)  49.8%(110/220)

結論:HPV1618型の感染のある女性で、サーバリックスは感染消失を加速しなかった。(そのような女性で)感染予防に使用すべきでない。

 

この研究で、既にHPV16/18に感染している女性にサーバリックスを注射しても、全く意味がないことが示された。

GSK社もこのことを認めている。サーバリックスのパンフレットに小さな字で、

ただし、このワクチンには接種前に感染している発がん性HPVを排除したり、すでに発症している子宮けいがんや前がん病変を治療する効果はありません”と書かれている。

 

ウイルスは細胞の中で増える。細胞の中のウイルスには抗体は効かない。つまり、感染が起こってからではワクチンは効かない。それなら感染前にワクチンを接種し、抗体価を著しく高めておけばHPVの感染阻止ができるのではないか。それで、もっと若い1214歳の女性にターゲットを移した。ところが、

 

Ⅱ.“高病原性”ヒトパピローマウイルスは、新生児の口腔粘膜、外陰部からも検出されるTransmission of High-Risk Human Papillomavirus(HPV) between Parents and Infant: a Prospective Study of HPV in Families in Finland

Journal of Clinical Microbiology, Jan. 2005, p.376-381

フィンランドの76組の新生児の親子で、12の型の高病原性ヒトパピローマウイルス(HR HPV 16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,56,58型)が親子間でどのような感染伝播示すか、2年間にわたって調べた。15%の新生児で外陰部より、9%で口腔粘膜よりHR HPVが検出された。6月目が最大で、それぞれ18%22%であった。6人の新生児では、父母ともHR HPVが陰性なのにもかかわらずHR HPVが検出された。統計学的には、母親の口腔粘膜のHR HPVが、子宮頸部の感染と同様、新生児への潜在的感染源となっていると考えられた。

 

この論文は、“高病原性” HPVは極めてありふれたウイルスで、口腔粘膜から検出されることも多く、新生児期より感染と消失を繰り返していることを示している。性行為を感染の経路として特別視することは、間違いであることを示している。1214歳の女子にHPVワクチンを打って高病原性HR HPVの持続感染を防ぐというのは意味がない。

 

Ⅲ.子宮頸がん検診の“前がん病変”は本ものの“がん”とは異なる。

細胞診:子宮頚部をぬぐい、付着した細胞を染色し顕微鏡で観察する。細胞質に占める核の比率が大きいこと、核の形が悪いこと=異型性(悪性疑い)、とみなしてランク付けする。

組織診:子宮頸部をコルポスコープ(拡大鏡)で観察し、周囲と比べて異常と思える部分を耳かす程度の大きさで採取し、染色して顕微鏡で観察する。この場合も核の比率の大きいこと、核が濃染すること、それらの細胞の重なり度合いを悪性度として評価される。また、粘膜層を超えて拡がっている場合には本もののがんと考える。

本もののがんは、次第に大きくなり、堅くゴツゴツしていて出血する。一部のものは、浸潤、転移する。このような、手術を必要とするような、さらには死亡につながる本ものの子宮頸がんと、顕微鏡観察での異型性、前がん病変とはかなり違う(別物?)。

下の図はサーバリックスのパンフレットにあったもの。死亡するのが本もののがんであり、年齢とともに、特に高齢者で死亡が増える(下の線)。これは他の部位のがんと同じ傾向である。20代では子宮頸がんによる死亡は非常に少ない(10万人に1人以下)。

罹患率(上の線)は組織検査で、前がん病変を疑われたもの。20代から急に増えるのは、月経不順、妊娠、不整出血等で婦人科の診察を受ける機会が急に増え、「ついでに細胞診を行っておきます」ということが多いためである。異型性が多く指摘されているが死亡にはつながらない。これを脅しの材料として使っている。どのようにして集計したのだろうか?


Ⅳ.サーバリックスの審査ついて

― 平成21831日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会資料 -

「厚生労働省の指導により、国内臨床試験の終了を待たずに平成19926日に本剤の製造販売承認申請がなされております」とあり、さらに2つの国内臨床試験報告書の提出日が3箇所で伏せられている。「審議チームは...矛盾のないことを確認しております」とあるが、下の方をみると、「日本人における長期の有効性及び安全性」に関連する調査が「予定されております」とある。議論よりは機構側の説明が殆どで、20分位で承認された印象(4ページ、6878字)。

有効性についての国内データは、「抗体価の上昇」と、「持続感染が認められたのはいずれも対照群」ということだけ。子宮頸がんの前駆病変予防のデータは、「国内臨床試験の実施が困難」ということで、海外の試験成績をもって「本剤の有効性が確認されております」としている。

安全性についての言及は4行のみ。「接種部位反応が顕著」だが、「一過性であり、忍容可能」、「問題となる事象は報告されていない」と。「失神」という言葉はない。

「ワクチンのがん抑制効果の判定には10年、20年フォローするような綿密な計画が必要」という極めて真当な発言があったが、それについては、「まだ具体化していない」とのこと。このワクチンは、昆虫ウイルスと昆虫細胞()で作られたはじめての製品である。

サーバリックス拡販のためのシミュレーション

「ガーダシル、 サーバリックスは効果がある」という論文も読まないといけないと思い、いくつか探して読みました。
ガーダシルに比べると、サーバリックスの論文は、(インターネットで手に入るものは)少ないです。
その中で重要、面白かったと思えるものを紹介いたします。

Estimating the long-term impact of a prophylactic human papillomavirus 16/18 vaccine on the burden of cervical cancer in the UK
British Journal of Cancer (2007) 96, 143-150


この研究はGSK社から資金提供をうけており、著者らに報酬 (reimbursement)があったことが記されている。著者に2人のGSK 係者が名を連ねており、サーバリックスの効果をシミュレーションで示し、拡販をねらったものと思う。

シミュレーションの基礎資料として、マン チェスター コホート研究その他の、HPVの検出率、子宮頸がん 罹患率、死亡率が図が引用されており、私には大変役立った。


HPV感染から子宮頸がんの進展過程を 

非感染<->HPV 染<CIN1<->CIN2<->CIN3->Cancer

とモデル化し、HPV 別ごとの、感染から子宮がんへの自然経過を反映できるようにマルコフ過程モデルを改良した、とある。
CINcervical intraepithelial neoplasia の略である。
CIN3
の左側では、どの段階へも可逆と設定されている。
CIN3
からCancerへは非可逆と設定されている。


彼らのモデルで、マンチェスター コホート研究のデータを再現できようにモデルを改良した。
この辺はよくわからないし、詳しく書かれている訳でもないが、6月の移行(transition)をやって、良く合うかどうか確かめている。 この作業をCalibrationと言っている。

このとき使った確率(probabilities)を表に示されている。
非常に興味深い。

Oncogenic HPV Nononcogenic HPVとの間で大き な差があったのが

正常<HPV 染 35歳以下 0.023 - 0.077 : 0.008-0.026
          35
歳以上 0.004-0.023 : 0.001-0.008
CIN1
CIN2 35歳未満 0.014 -0.278 : 0.007-0.017
          35
以上 0.035-0.315 : 0.017-0.020
HPV
クリアランス   0.38 : 0.53


もっとも関心がもたれる
CIN3―
Cancerの段階は 0.002-0.0170.008
とあまり差が大きくないのである。


正常<ー>HPV感染<ー>CIN1の2つ段階の確率は、2つ論文のデータに基 づいている。

CIN3ー>Cancer の段階の確率も2つの論文に基づいている。
1つはワクチン(サーバリックス関係)の論文。
oncogenic
HPVnononcogenicHPVとでは、 宮頸がん移行の確率に差が無い事を認めているようなものである。


こんなことをするまでもなく、年齢階層別HPV感染率、子宮頸が ん罹患率、子宮頸がん死亡率グラフを見れば、この3つの間で相関がないことは一目瞭然である(図を添付出来ないのが残念である)
HPV
の感染率は若年者に高く、子宮頸がんによる死者は高齢者に多いのである。


彼らはこのモデルを使い、376385人の同一年齢の少女のコホートで、12歳 の時にワクチン接種を3回行い、100%の接種率、HPV16/18に対するワクチン有効率95%、HPV31と45に対するcross- protection 率をそれぞれ50%90%、抗体価が減弱しない(10 保たれ、さらに10年ごとのブースター注射を行う)、と仮定して シミュレーションを進めている。

ワクチンを打たない場合には1403の子宮頸がん死が予想(計算)され、10歳からサーバリックスを打った場合は335(76% )に、18歳で打ったときには506(54% )とシミュレーションの結果が示されている。
ワクチン接種率80%では549(61%減)と示されている。
この論文が12歳の少女にサーバリックスを注射する根拠を示しているようだ


問題点を指摘するなら、上に示したように、このモデルでは、「子宮頸がんは100% HPV感染による」という仮説が前提になっている。
したがって、シミュレーションに示された結果は、ワクチン接種率、ワクチンの有効率、で決まるような結果がでるのが当たり前である。

cross-protection
率は高過ぎないのだろうか。

CIN1
<ー>CIN2HPV clearanceのところは他の論文による根拠が示されていない。
上のような確率を使うなら、年齢とともに、oncogenic HPV感染が増え、その結果oncogenic HPV 感染のCIN3が蓄積し、その結果cancerが増える、といことになるのではないだろうか。
当然ワクチンの効果が大きく見えるとおもう。

ワクチンの抗体価の減弱はすぐに始まり、10年持つとはとても思えないが、そのようなシミュレーションの結果は示されていない。

論文を全て理解したとは思っておりませんので、興味ある方は読んでみて下さい。
論文はここで得られます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17146475


ネイティブアメリカンの世界

数年前、南米のフォルクローレの演奏グループから買ったものです。
しばらくぶりに聴いてみましたが、とってもいい!
ケーナなど南米のフォルクローレの演奏楽器と、ドラム、シンセサイザーなどで作られた音楽です。
草原を馬に揺られてゆったり移動しているような、夜のオオカミの遠吠えが聞こえるような、そんな音楽です。
7. PA WAYANKA(ワヤンカへ)は移動中の、男声と女声の掛け合いの歌のように思います。
とても優しい、豊かな世界です。
この音楽の背景であるインディアンの文化が失われようとしていることは本当に残念です。

私が生まれ変われるなら、北米インディアンになりたい、
裸馬に乗って、風を感じながら草原を走りたい、
そんな思いにさせる音楽です。

彼らは都市をつくらなかった。都市生活をしようとしなかった。
彼らは自然を変えようとはしなかった。
彼らは、人間は自然界の特別なものでない、人間もオオカミも同じ、オオカミのように生きればよい、と考えたのではないだろうか。

われらは原子力発電所までつくった。

彼らは文字をもたなかったというかもしれない。
少人数の集団の生活、たくさん物を持たない生活では、文字はいらなかったのではないだろうか。
権利関係を主張するとき、文字は必要になると思う。

Cherokee の人々は文字をつくり、1842年には新聞を発行し、学校を運営しました。
(涙の旅路は1838年でした。)











8月30日記

演奏しているグループは Tupac Peralta と分かりました。
http://www.myspace.com/tupacperalta/photos#!/tupacperalta
上のCDの雰囲気をよく伝えているのは Spirituality, Days Beginning とおもいます。
是非聞いてみてください。

次の曲がアップロードされ、聴けるようになりました。
懐かしいような、何ともいえない音楽です(特に3)。

1.LOVE MOUNTAIN ラブ マウンテン
http://www.youtube.com/watch?v=9Rta2vRkJpI

3.SONQUYMAN フロム マイ ハート
http://www.youtube.com/watch?v=uc-zRYl_Iec

PA WAYANKA 、実は PAWAY ANKA でした。
Paway Anka とは ケチュア語で "飛ぶ鷲"  とわかりました。
上は誤訳でしたね。

下の演奏はALBORADAというペルーのフォルクローレグループのものです。
歌詞は同じですが、上のCDの演奏とは雰囲気がかなり違います。
男声と混声の掛け合いです。
力強い歌になっています。

ALBORADAはケチュア語で歌って大きな支持を得ているようです。
ケチュア語はインカ帝国の公用語、現代ペルーの第2公用語です。
自分たち固有の言語で力強く歌う、これは画期的なこととおもいます。
ケチュア語は日本語と語順が同じ、とどこかで見たことがあります。
ケチュア語に取り組んでみたかった。




これはどこかで聴いた覚えがあるなと思い、上のCDを聴きなおしましたが、それにはありませんでした。
別のCD "The last of Mohicans Songs and dances of the native american" のトップにありました。
ひろく演奏されている旋律のようです。
CD、ビデオの歌詞はケチュア語とわかりました。
女声の歌で聴くと、とても愛らしい曲です。
ケチュア語の歌詞です。
(スペイン語に訳されたものがあるので、そのうち訳をつけてみます。)
Ananau, ananau
nispaniwashkanky
ñuqallapiñam chay ña wiky.
Ananau, ananau
nispaniwashkanky
wiñaypaqchum ñuqa qawasqaiky
May runallam kakuchkanky
kaycunallapy waqanaypaq.
Wañuptyqa ñakawanky
manam munanichu chay pasayta.
Ananahua 月への嘆き

"The last of Mohicans" を聴き直してみて、もっともいいなと思った曲は Aktum Leman (銀狼)でした。
YouTube にありました。
下の曲の 3:44秒あたりから始まります。
力強いリズムがいいです。
車を運転しながら聴いているとサイコー!です。
低音のドラムの音がきこえないと面白くありません。
前半の曲は、サン ファニート(san juanito)という形式のエクアドルのフォルクローレと思います。
Inca's Sprit  Aktum Leman  銀狐

上の前半の曲はこれでした。踊りがついて楽しい!
体の動きがなんば踊りなのです。
Lindo ! すばらしいステージです。
ケチュア語の歌詞がわからないのが残念です。


少し大きな画像の方がきれいです。
Youtube otavalena warmy ALBORADA
(35秒あたりで、男性のダンサーが前、左後ろとステップを踏んだので、女性のダンサーは距離がとれなくなり?合わせられなくなったように見えます。でも、そのあと微笑んで踊っているように見えます。男性のダンサーは身軽でうまいんだけどマイペース。女性のダンサーは、長い、裾の広いスカートに気を配らねばならず、大変なのでしょう。踊りが入ると一段と楽しいステージになりますね。)
サン ファニートについては、この記事が面白いです。
もち サン ファニート
実は私、サン ファニートがかなり好きなのです。
哀調を帯びた旋律の、延々と繰り返すところがいいのです。
少しわかってきました。
Otavalena(オタバレーニャ)とは、オタバロの女性、という意味です。
Otavalo (オタバロ)はエクアドルの首都キトの北方の町です。
インディヘナ(原住民)の民芸品の町として有名です。
夏にインティ ライミ Inti Raymi と呼ばれるインディヘナの祭り、音楽祭がひらかれます。
オタバロの女性たちは、おしゃれで清潔好きで美人です。!
七分袖の白いブラウスが特徴なようです。
YouTube Otavalena mi Ecuador
Aztecaの踊り手の衣装が素晴らしい ! 演奏も素晴らしいです !
2番目の写真の方は、目のまわりがアレルギー反応で腫れています。うーん、どうしたんでしょう。
YouTube San Juanito - "Road to Antigua"
YouTube Otavalo - "San Juanito Irlandes"
この曲はセレステ Celeste (青空) として知っておりました。
日本にいるフォルクローレのグループがよく演奏します。
San Juanito だったのですね。
YouTube Ecuador San Juanito  (Celeste)


私は南米のフォルクローレのグループからケーナを買いました。
練習してみましたが全くうまくなりません。
ケーナをこんな風に力強く吹くのかと、ちょっと感動しました。
トヨス(大型のパンフルート)も力強く吹いています。
グループの名はわかりません。
曲名は White Buffalo です。
上に紹介した曲の演奏の様子がわかる、興味深いビデオと思います。
真ん中の人が吹いているのはケナーチョです。
オクターブ下の音で伴奏しています。
向かって右側の人はサンポーニャと打楽器です。
南米のフォルクローレのグループが、北米インディアンの音楽を演奏する流れがあるのですね。
YouTube Indian Music (White Buffalo)

ALBORADA の White Buffalo もどうぞ。
YouTube White Bufalo - Alborada(HD)


上で紹介したCDは、初め、すべて北米インディアンの曲と思っておりましたが、そうでないんですね。いくつかの曲は北米インディアンのものと思いますが、殆どは北米インディアンの音楽をモチーフにした、南米フォルクローレの演奏なんですね。
北米インディアンに対する親愛とエールを送っているんだと思いますが。

ここから下が真の北米インディアンの曲ということになりましょうか。
でも、西洋の音階、楽器がはいってきますね。

YouTubeをサーフィンしているうちにこの歌に出合いました。
朝に、大地に、感謝する歌です。
歌っているのはリタ・クーリッジ姉妹ともうひとりの女性です。
このビデオに出てくる人たちは、いい顔をしていますね

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これ、意外にオリジナルに近い演奏かな、とおもいます。Amazing Graceを重ねていますが。


16/04, '14 「アメリカインディアン闘争史 わが魂を聖地に埋めよ bury my heart at wounded knee 」を読んでいるのですが、心にズシンと残る本です。日本人は欧米人に征服されなくてよかった。

下巻にこのような記述がありました(p55)。

"白人のハンターと毛皮商人がいたるところにいて、腐った死骸の放つ悪臭が平原の風をたまらないものにしているし、インディアンとまったく同じように野牛の大群がどしどし狩りたてられているのだと、と彼ら(クワハディ族のインディアン一行)は言った。
(1872年から1874年にかけて殺された370万頭の野牛のうち、インディアンが殺したのはわずかに15万頭にすぎなかった。....)"
 
インディアンにとって、野牛は食料として彼らの生存がかかる大事なものだった。インディアンを兵糧攻めにするために、白人政府側はゲームハンティングを推奨したと思われる。また、野牛を射つためのライフル銃がインディアンにも向けられたのである。

下巻の最後のページに、族長だった老インディアン、レッド クラウドの写真があります。その下に、こういう記述があります。
「彼らは、私が覚えていられないほどたくさんの約束をしたが、そのひとつとして守られなかった。彼らはわれわれの土地を取ると約束し、それを取った。」


NPH混合インスリン製剤、ノボラピッド30ミックスフレックスペンの攪拌不足でおこること

大崎市医師会報 第95号(平成22年10月25日発行)に寄稿したものです。一部図表が足りません。最下部にある画像を印刷しておよみください。


NPH混合インスリン製剤、ノボラピッド30ミックス注フレックスペンの撹拌不足でおこること


                           さとう内科循環器科医院

                             院長 佐藤 荘太郎

  私が恐る恐る糖尿病の患者さんにインスリンの自己注射の指導してからもう15年くらいになるでしょうか。そのころはカートリッジ式のノボペンIIとノボリン30Rのカートリッジだったと思います。
現在でも、
インスリンの自己注射を導入するとき、"とりあえず"、ノボラピッド30ミックス注フレックスペン選択になると思います。 食後高血糖に対する超速効型インスリンと、基礎分泌インスリンを補う中間型インスリンを含んでいるという納得、また日2回、朝晩食前注射という指導のし易さから選ばれるもの思われます。
 
ノボラピッド30ミックス注フレックスペンは、超速効型インスリンアナログ:インスリンアスパルト製剤ですが、30%がフリーの超速効型インスリンアスパルト、70%が中間型のNPH結晶インスリンアスパルトとなるように設計されたものです。
  速効型インスリンの理解は容易と思われます。皮下に投与されたインスリンは、6量体から、2量体、さらに単量体と解離し、毛細血管の血流に入ります。この過程を速くしたものです。一方、NPHインスリンはわかりづらいものです。インスリンの歴史を振り返りながらNPHインスリンの解説をまとめてみました。

  1921年にインスリンが発見され、22年には糖尿病の治療に使われるようになりました。精製したインスリンは、糖尿病の治療のためには効果の短いことが悩みでした。インスリンは血流入ると速やかに分解されるためです。インスリンの効果を持続させるためには、インスリンを結晶の形で皮下に投与し、解離と毛細血管血流内への移行を遅くすればよいと考えられたわけです。
  歴史的には、
大きく二つの方法が編みだされました。ひとつ、酸性タンパクであるインスリンに、成熟サケの精液からとられた塩基性タンパクのプロタミンを加えて塩の結晶するものでした(1936)。もうひとつはインスリンそのものを結晶化するには亜鉛が必要とわかり(1926)、亜鉛を加えて結晶化および懸濁するものです。
  インスリンにプロタミンを加えて結晶化する方法は
デンマーク人のJensen内科医Hagedornによって研究されました。インスリンプロタミンの飽和化合物がもっとも優れた性質を持つことがわかりました。そのため、このインスリンはisophane insulin とも呼ばれます。Hagedorn博士はこのインスリンをNPC インスリン(neutral protamine crystallin insulin)と呼んでおりましたが、アメリカのFDAは、Hagedorn博士の研究に敬意を表し、NPH インスリンと呼ぶことを提唱しました。NPHは、Neutral Protamine Hagedornの頭文字です
 
  NPHインスリンは微小結晶を形成し、
溶液中では解離しにくく安定しています。さらに、その溶液にレギュラーインスリンを加えた場合、レギュラーインスリンの速効性の性質が失われません。速効型と中間型の特徴をもつ、安定した混合インスリンが得られます。レギュラーインスリンは食後の高血糖を抑え、NPHインスリンは基礎分泌を補います。使いさから、日2回用、あるいは回用のインスリンとしてベストセラーになりました。現在でも、中間型インスリンとしては、超速効型インスリンアナログをNPH結晶化しているわけです。
  亜鉛を加えて結晶化懸濁化し
、インスリン作用の持続期間を長くしたものレンテ系のインスリンです。持続が長いといっても(16~20時間)、インスリン効果はフラットでなく、おおきな山があり、基礎分泌インスリンの代わりにはなりえませんでした。現在、日本では発売されておりません。
 
  20数年前のことになりますが、私にとっては、
塩酸プロタミンは心臓カテーテル検査の終了時にヘパリンの作用を中和するために投与する、なじみの深いものでした。この場合も、ヘパリンは酸性の物質です。現在、硫酸プロタミン販売は持田製薬ですが、ノボノルディスクファーマ社で製造されています。サケの精液が世界最大のシェアーをもつインスリン製薬メーカーの土台を造ったということでしょうか。

ノボラピッド30ミックス注フレックスペン冷蔵庫に保保管しておきますと、NPHインスリンの微小結晶が沈殿いたします。図1はノボラピッド30ミックス注フレックスペンを立てて冷蔵庫に保存しておいたものです。未使用のため、ピストンゴムは外囲プラスチックに隠れて見えませんが、その上に、白色の沈殿したNPH結晶インスリンが見えます。透明な上澄部分にはフリーのインスリンアスパルトがまれていると考えられます。

(図1、本文と異なり、未使用のものではありません)


目盛りより、沈殿部分の容積は約0.3mlです。そこに210単位のNPHインスリン活性が集中していることになります。残りの90単位のインスリン活性は、上澄部分の2.7mlに分布することになります。そうしますと、沈殿部分のインスリン活性濃度は、210単位÷0.3mlで、700単位/ml、上澄部分のインスリン活性は、90単位÷2.7mlで、33単位/mlとなります。

上の検討で得られた数字は以下の検討にとって極めて重要であります。それらが正しいかどうか、8月上旬、ノボノルディスク本社のメディカル&サイエンスアフェアーズ部に、図1~図3を添えて問い合わせをいたしました。しかし、10月上旬の時点で、まだ回答をいただいておりません。そのため、上の計算の数字を用いて議論をすすめます。


  図2は、図1とは逆さまにして、注射針の装着部に結晶を集めたものです。その状態を保ったまま針を装着し、実際の注射を模して、テストのため2単位、注射のため10単位をスライドグラス上に射出してみました(図3の下のスライドグラス)。この射出されたものをアッセイすれば計算が正しいか確認できるはずです。
   のあと撹拌して均一化し、同じように注射を模して射出してみました(図3の上のスライドグラス)。前の操作でNPH結晶インスリンが射出されてたため、その比率は相当下がっております。どちらの場合もスムーズにインスリンが射出され、針が詰まったような感じは全くありませんでした。

  冷蔵庫に長期保存しておいたノボラピッド30ミック注スフレックスペンでは、予想以上に撹拌混合され難いものです。先端を下に向けて振った場合、全く撹拌されないばかりか先端の針装着部のほうに結晶インスリンが集まってしまい、それを注射してしまうという、最悪の事態を招きかねません。上の計算で示しましたように、極端な場合、結晶インスリンだけが注射された場合、指示量の7倍のインスリン、それも中間型インスリンばかりが注射される可能性があります。結晶インスリンの含まれない、透明な部分が注射された場合、インスリン活性は指示量の1/3で、超速効型インスリンばかりとなります。
  撹拌不足では、速効成分、中間成分の比率が変わるだけではなく、このように、インスリン活性量が大幅に異なりうるのです。撹拌されていない状態は目で見てすぐわかりますから、上の7倍の例はありえないとしても、2,3倍のインスリンが投与される可能性は十分ありうると思います。
  
  NPH
インスリン製剤の撹拌不足の問題は新しい問題ではありません。図4はPeter M Jehle 他、"Inadequate suspension of neutral protamin Hagedorn (NPH) insulin in pens. The Lancet Vol. 354, November 6 1999 のものです。この論文は、途中まで使ったペン型混合インスリン製剤、NPHインスリン製剤残存NPH結晶インスリンの比率、図1と同様なやり方で測定しております。年代的にはレギュラーインスリンをNPH結晶化した製剤のものです。
  十分に撹拌してインスリンを注射していた場合には、NPHインスリンの比率は使用開始のときと同じですから、残存インスリン比率は100%となるはずです。
残存NPHインスリン比率の少ないカートリッジやペンデバイスでは、NPHインスリン成分の多い部分をすでに注射してしまった、逆にNPHインスリンの多く残存していたものは、非結晶のインスリンの多い部分を注射していた、ということになります。
  図
から、NPHインスリン残存比率が低いものが多いことが読み取れますが、使用の前半ではNPHインスリンの多い部分が注射されていることが多い、ということを示しています。また、新しいインスリンペンの使い始めに低血糖が多い、ということが知られております。インスリンの自己注射について十分な指導を受け、手技が確認されている患者さんと、そうでない患者の間でもあまり大きな差はなかったことも論文に記されております。
 
  私が診ていた患者さん(84歳男)が、朝食前にノボラピッド30ミックス注フレックスペンを34単位射ち、昼食をとらなかったようですが、7時間後車の運転中に低血糖となり、堤防の上の道路より転落する事故を起こしてしまいました。怪我はありませんでしたが、軽乗用車は大破してしまいました。確かに34単位はインスリン量として多いのですが、コントロール不良で血が700mg/dlにもなったことのある方であり、直近の検査データは、Hb-A1c 9.5%でした。ノボラピッド30ミックス注フレックスペンのインスリン効果にしては遅すぎる、強すぎると疑問を持っておりました。

上の検討で、撹拌が十分でない状態で、NPHインスリンの結晶が針装着部に溜まったものを注射するならば、34単位をはるかに上回るNPHインスリンが注射されることがありうる、さらにNPHインスリンの最大効果は5時間目あたりになることもあわせてもしかしたらそうでないかと、一応の納得がえられました。

確実な撹拌のために、ノボラピッド30ミックス注フレックスペンの注射筒には直径3mmくらいのガラス球が1個入っています。これはNPHインスリンの撹拌時に極めて重要な働きをいたします。効果的に撹拌するには、このガラス球を先端からピストンのゴムの部分まで往復させることが肝腎と思います。

ノボラピッド30ミックスフレックスペンの添付文書には、冷蔵庫より取り出して初めて使う場合には、図5-Aのように攪拌するように書かれております。ノボラピッド30ミックスフレックスペンを水平に保存しておきますと、NPHインスリン結晶の沈殿自体が硬くなり、管壁にも硬く付着しているためです。

ところで、ペン型インスリン注射器が水平に保存されているとは限りません。立てて置いた方がスペースをとりません。その場合、容量設定のダイアルをつまむ都合上、先端を下にして差し込むはずです。その結果、インスリン結晶はペンの先端部分に集まります。このような場合には、図5-Aの方法は、攪拌に有効ではないのでないか、と考えられます。注射針の装着部にインスリンの沈殿が残って、最悪の場合がおこりかねません。

2回目以降の使用時には、図5-Bのように、肘から大きく振って攪拌するように書かれていますが、これも感心しません。実際そのようにやってみると、5~6回も振ると、もういいだろうという気分になります。この方法では、撹拌の基本となるガラス球の往復の回数がかせげません。

前の論文では、交互に傾ける(tipping)方法がよいと述べられております。その場合、最低20回の tipping が必要と指摘されております。前の論文を補うような内容の、Lancet 誌の編集者への手紙があります(Ester Laubach 他、Lancet Vol 355 January 15 2000)。内容は、撹拌後のインスリン溶液の均一さを光学的な手法と、インスリン活性をアッセイする方法で確認した、やはり20回以上の tipping が必要である、というものです。

  患者に説明するときには、まず、ノボラピッド30ミックス注フレックスペンには、非常に溶けにくい結晶のインスリンが含まれていること、撹拌不足で結晶インスリンばかりを注射すると低血糖になることがあること、と説明いたします。  つぎに、内部のガラス球を使って撹拌することを説明しますが、ガラス球の動きを頭においておけば、どう動かせばうまく撹拌できるかわかるはずです。水平に持って、20回以上、ゆっくりと交互に傾ける(tipping)必要があると説明しております。
  まず、図6-Aのように数回~10回ほど軸方向に振ります。急加速、急減速することにより、ガラス球を先端部およびピストンゴムに衝突させます。この操作で、特に問題となる、注射針の装着される先端部分の沈殿の付着をなくします。
  このまま20回以上振ってもよいのですが、図6-Bのように、水平に持って、交互に20回ほど傾ければ十分な攪拌が行われるはずです。


この文章をまとめるにあたって、ノボノルディスクファーマ株式会社より、論文の検索のサービスと論文のコピーの提供を受けましたこと、感謝申し上げます。
また、NPHインスリンについては、後藤由夫氏の記事 (http://www.club-dm.jp/)、レバノンのノボノルディスクファーマ株式会社のホームページの記事を参考にいたしました。
図6-A、図6-Bはフォルムデザインの高橋好文氏につくっていただきました。
感謝申し上げます。

【後日談】

10月のある日、ノボノルディスクファーマ株式会社のMR氏が尋ねてきた。ノボラピッド30ミックスフレックスペンの攪拌が難しいという話をした。ちょうど冷蔵庫に図2の状態のものがあったので、彼の目の前で図5-Bのやり方で10回振ってみた。先端部にインスリン結晶の沈殿が残っていた。

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院長紹介

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昭和25年4月、宮城県古川市に生まれる。
宮城県古川高校卒業
東北大学医学部卒業
昭和51年~54年 福島県いわき市立総合 磐城共立病院で初期研修
昭和54年〜 東北大学医学部附属病院第一内科(滝島任教授)医員
一時、広南病院、仙台鉄道病院に勤務
一時、東北大学医学部第一内科 助手
一時、東北大学医学部医療短期大学部衛生技術学科 助教授
平成3年 古川市にさとう内科循環器科医院開業





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